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インプラントが出来ない方は・・・

昨今、歯科補綴の第一選択にインプラントを選ぶ症例が増えてきていますが、残念ながら顎骨が少なかったり、からだの疾患の関係でインプラントが出来ない患者様もいます。そうなると、今までどおり義歯を選択せざる得ないケースも多々あります。今回はインプラントを選択せずにノンクラスプデンチャーで治療し、満足して戴いた1例をご紹介します。

患者様は数年前に左下臼歯を失いました。幸いにも親知らずが最奥に残存し小臼歯も健全な状態である、いわゆる中間歯欠損です。しかし、顎堤の骨量は著しく吸収しています。

前後の歯牙を守る意味からインプラントの選択も考えました。しかし、先程述べた顎の骨量の関係と、からだの疾患の関係で抗凝固剤(血液を固まりにくくする薬のこと)を服用しているたため、患者様自身もからだのことを思いインプラント治療は望みませんでした。

 

保険でブリッジ(前後の歯を削り、金属の歯を繋げて入れる固定式の義歯)を入れることも可能でしたが、前後の歯を削ることに抵抗があったため、歯を削るブリッジもやめました。

 

以前に義歯を使っていましたが、親知らずが斜めに生えていたため、金属鈎(クラスプ)を引っ掛ける場所が足りず、すぐ外れてしまい、装着感が不安定で不満を持ちながら使い続けていたそうです。

 

そこで、ノンクラスプデンチャーをご紹介したところ、金属鈎に頼らない方法で、しかも審美性にも優れていることが気にいってくれましたので、治療に取り掛かりました。

ノンクラスプデンチャー装着後

 

義歯が完成し、装着したところ、歯牙のアンダーカットはもちろん、粘膜部のアンダーカットに柔らかい義歯床が積極的に入り込み、安定性はすこぶる良好でした。そして、金属鈎のような装置も無く、審美的に自然な感じで装着することができました。ノンクラスプデンチャーを装着した患者様からよく言われることなんですが、義歯自体の軽さも気に入ってくれるようです。

 

治療が終了して4ヶ月以上が過ぎ、経過をお聞きしたところ、非常に満足して使って戴けていました。